映画の中で優れた脚本に送られる脚本賞。作品賞とは一味違った趣向の作品が多く、実に面白いんじゃ。中には作品賞とW受賞しているものもあるから、必見じゃ。
2000年 トラフィック(スティーヴ・ギャガン)
『オーシャンズシリーズ』のスティーヴン・ソダーバーグ監督がメガホンを取り、『ウォール街』のマイケル・ダグラスが主演した社会派ドラマ。アメリカにはびこる麻薬密輸と、麻薬密輸の撲滅のために奮闘する人々が描かれておる。脚本賞の他に、監督賞、助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚色賞、編集賞を受賞しておる。他の賞レースでも多くの賞を獲得したんじゃ。
2001年 あの頃ペニー・レインと(キャメロン・クロウ)
15歳の少年が「ローリング・ストーン」誌の記者に抜擢され、人気バンドの密着取材をする中で、ペニー・レインという少女と出会う…というお話。脚本も務めたキャメロン・クロウ監督が、自身の経験を生かして製作した作品じゃ。実際に彼も、15歳で「ローリング・ストーン」誌で記者をしていたそうなんじゃ。
2002年 ゴスフォード・パーク(ジュリアン・フェロウズ)
『M★A★S★H マッシュ』『ショートカッツ』のロバート・アルトマン監督作品。 1932年、戦間期、イギリスの階級社会を描いた群像劇じゃ。いかに当時の貴族達が召使いに依存していたのかが、わかる作品じゃ。
2003年 トーク・トゥ・ハー(ペドロ・アルモドヴァル)
共に愛する女性が昏睡状態となってしまった、二人の男性を主役に描いたヒューマン・ドラマ。監督は『オール・アバウト・マイ・マザー』のペドロ・アルモドバル。ヨーロッパ映画賞では作品賞を受賞するなど各地で絶賛されたスペイン映画じゃ。
2004年 ロスト・イン・トランスレーション(ソフィア・コッポラ)
『ヴァージン・スーサイズ』『マリー・アントワネット』のソフィア・コッポラ監督作品。主演は『ゴースト・バスターズ』のビル・マーレイと『真珠の耳飾りの少女』のスカーレット・ヨハンソン。日本にそれぞれの事情でやってきた、二人の交流が描かれておる。コッポラは日本に留学していたことがあるそうで、作中の日本はリアルそのもの。外国人から見たおかしな日本が見られて面白い作品じゃ。
2005年 エターナル・サンシャイン(チャーリー・カウフマン、ミシェル・ゴンドリー、ピエール・ビスマス)
ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット主演の恋愛映画。別れた彼女の記憶を消す手術を受けた主人公が、夢の中で薄れていく彼女の存在を必死に守ろうとする姿が描かれておる。脚本のチャーリー・カウフマンは他に『マルコヴィッチの穴』や『アダプテーション』『脳内ニューヨーク』など風変わりな作品を連発しておるんじゃ。
2006年 クラッシュ(ポール・ハギス、ボビー・モレスコ)
『ミリオン・ダラー・ベイビー』のポール・ハギス監督による、交通事故を主題にした作品。『ホテル・ルワンダ』のドン・チードル、『スピード』のサンドラ・ブロックらが出演しておる。本作は作品賞も受賞しており、当時最有力といわれていた『ブロークバック・マウンテン』を押しのけ、サプライズ受賞を果たした。
2007年 リトル・ミス・サンシャイン(マイケル・アーント)
美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」の最終審査に通過した娘を送る家族を描いたロードムービー。サンダンス映画祭で注目を浴び、その後、7館のみでの上映だった本作は、次第に全米へと評判を広げていったんだそうじゃ。
2008年 JUNO/ジュノ(ディアブロ・コーディ)
『インセプション』のエレン・ペイジ主演の、16歳で妊娠してしまった少女を描いたコメディ作品。こちらも『リトル・ミス・サンシャイン』と同様に、口コミや賞レースで評判を広げていった作品じゃ。
2009年 ミルク (ダスティン・ランス・ブラック)
ゲイであることを公表した活動家ハーヴィー・ミルクの伝記映画。主役のミルクを演じたショーン・ペンは本作で主演男優賞を受賞した。監督は『エレファント』『グッド・ウィル・ハンティング』のガス・ヴァン・サント。
どうじゃったろうか。ちょっと風変わりな作品が多い脚本賞受賞作品じゃ。傾向としては、今まで描かれたこともなかったような題材を用いた作品に、与えられているのかな? という印象じゃ。これまで見たこともない映画が見てみたい、という方には、脚本賞映画がおすすめじゃのう。
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